なんか去年は、年末という感じがしなかった。
結局去年は、ずっと仕事が忙しくて、旅にもほとんど出なかったし、連休は潰し、それでいて結果があまり残らなかったので、ホントに失意の一年でした。
311の震災での失意と比べれば大したものではありませんが、いみじくも同僚が朝礼で言った「今年(去年)の漢字は【絆】だったが、個人的にも【亡】じゃないかと思う。来年(今年)は取り戻す年にしたい」というのが、僕にもしっくり来ました。
昨年は本当にスマートフォンの伸びがすさまじく、今のところ、まだまだという感じのタブレット市場も来年はかなり伸びていくと感じています。
そういったメディア・デバイスを使った色々な施策を昨年は練りたかったのですが、営業の求めに応じて仕事を回した結果、何も手を打つ時間がとれなかったし、その仕事もいまいち会社に利益を与えるものにはならなかったし、売上の規模も全然で、僕がやるほどのことだったかな、というレベルに終わってしまった。もっといえば、僕がやってしまったがために、「やらない」という決断が下せなかったのかもしれないと思います。
今年は、今の会社に属したままで、新しいブランドを立ち上げます。
なぜ属したままなのか。新しいブランドなのか。
それは、印刷業界を変えていきたいと思っているからです。
世の中の一般的な感覚は、印刷会社は印刷だけをしていると思っているでしょう。けれど印刷会社の多くは、紙に限らず、様々なことをしています。ウェブサイトもそうだし、スマートフォンアプリを作っている会社も少なからずあります。
しかし悲しいかな、世の中のイメージがそうなので、「スマートフォンアプリを作りたいから印刷会社に入る」という人は皆無です。ウェブサイトやシステムなど、どの分野でもそうでしょう。一部の例外は大日本印刷さんや凸版印刷さんです。
そのため、各社、数名の「できる」人が全部背負わされているのが現実です。
ここでいう「できる」は、色々な意味がありますが、割愛します(笑)
そこで、新しいブランドは、この開発力・制作力をアップできるアウトソーシング集団となります。
我々印刷会社はオンリーワンを狙って、エッジの立った戦略を展開するような業界ではありません。どちらかといえば、電気・ガス・水道のように、企業活動をする上で必要な紙という媒体を製造して提供しているという位置づけです。ですから、名刺や封筒から、分厚いカタログ、折り込みチラシ、様々な媒体をいかに低コストで提供するかが至上の課題となっています。
ウェブサイトやシステム、スマートフォンアプリも、同様に普及・流通が重要な時代です。ノウハウをシェアして、一つの仕組みからたくさんのソリューションを生み出すことが求められます。決して各社が各々で奮闘して何とかなるような次元ではありません。
そうしたノウハウのシェアと、技術力のアップ、対応キャパシティの拡大というのがテーマとなります。
そうして、もう一つはサービスプロバイダーになることです。
スマートフォンの普及で重要になってくるのは、ロケーション情報です。位置情報のコンテクストとして情報発信をすることが重要です。それは、単に大きなサービスをする会社が情報を発信するという形では意味がありません。それでいて、ソーシャルだけに依存するのも正しくないと思います。
例えば、僕は何度もバイクでツーリングして、食事をするところの情報を食べログなどで調べましたが、ほとんどは役に立ったと感じることはできませんでした。なぜかというと、自分が思ったことを書いてあるだけで、バイクで旅をしている自分に合ったコンテンツではなかったからです。ソーシャルだけで物事が解決できると考えたら、それはミスリードする危険性があると思っています。広告は広告としての価値があると思うのです。
印刷会社は地域の会社と密着して事業をしています。前述の通りです。
だから、どこか、例えばGoogleとかYahooとか楽天といった大きい会社がサービスを展開するのではなく、一つの仕組みを色々な会社が利用するエコシステムを構築することが、ユーザにとっても使いやすいのではないかと思っています。
この新しいブランドは、こうしたことを展開していきます。
1月からすぐに、というわけでもないのですが、パートナーさんとは急いで協議に入っていく必要があります。もし興味のある会社さんがあれば、お声かけ下さい(笑)
以前、ウェブサイト制作のパートナーさんと飲んでいたときに「僕らはサービスを作りたいんです。それまでは制作の仕事で食いつなごうと思っています」といった主旨のことをいわれたことがあります。
もしかしたら受け取った解釈が違うのかもしれない。でも、こういうのって、永続的なパートナーシップを期待する私たちからしたら、頼れない存在です。よくいえば「卒業します」。悪くいえば「踏み台にします」。
独立した会社は、その制作規模や実績によって、どんどん大きな仕事ができるようになるでしょう。そうしたら、小さな仕事が不釣り合いになって、単価を引き上げたり、お断りしないといけなくなってきます。
または大きな会社で実績を積んで、独立するケースなら最初から相応の報酬を得るかもしれません。でも、その会社には経験が浅い人が入れるかというと、そうでもないだろうと思います。
どこかで小さな安い仕事しか出せないクライアント、経験がなくて就業できない人たちを引き受ける「レイヤー」が必要です。
これはネガティブな考え方ではない。安かろう悪かろうでいいと言っているわけでも決してない。選民主義のようにやっていくのは、どこかで歪みが出てくるように思います。こうしたメディア産業が日本全国的に安定した産業として存在しうることも必要です。
最先端でなくてもいい、エッジが立ったクリエイティブも求めない。そういった層に対して、いい加減な仕事を安く納める。そんなことがあってはいけないと思うし、お金がないから自分でやる、というクライアントには違う形でサポートさせていただけることもあるんじゃないかと思う。それを印刷業界が引き受けられたら、と思うのです。
印刷業界の強みは、草の根の営業力だと思っています。毎日、打合せとかなくてもお客様のところに通うことは平気です(その善し悪しはともかく)。そこをしっかり見直して、新しい事業モデルを構築していくことは、もう今年中には絶対にやらないといけない。もう個々の案件に右往左往している状態じゃない。たかだか数百万の仕事のために、未来を失うようなことはしてはいけない。それが去年の反省です。
結果として、とっくの昔に山口に戻っているはずだったのが、未だに東京にいます。来年一年は東京にいるでしょう。それは、こういうことをやっていこうとしているからです。
本当にやれるかどうか、確固たる自信があるわけじゃありません。
でも、生き残るためにはこれしかない。そういう思いで、これに全力を注いでいこうと思っています。